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【対談】はるまきごはん×seeeeecunが聞く、新世代ボカロP・メレルと絶海の”これまで”の音楽と”これから”の音楽

クリエイターの友人をお呼びして対談する企画第2弾。

第2回は、以前一緒に対談したはるまきごはんを呼んで、僕たちよりも更に若い世代のネットアーティストであるメレルさん、絶海さんをお呼びして対談しました。

 

MC:seeeeecun

曲を作るサラリーマン youtube:www.youtube.com/channel/UCth7Ai8KEXD8iQLDVXb4HUA

MC:はるまきごはん

音楽 絵 映像 などやってます。がんばります niconico:nicovideo.jp/mylist/57349416 YouTube:www.youtube.com/c/harumakigohan

ゲスト:メレル

音楽や絵をやっています YouTube:http://goo.gl/cFWFB5 niconico:http://nicovideo.jp/mylist/58517020

ゲスト:絶海

ボカロ作ります。1st Album 【サイコメトロ】リリースしました。 niconico:https://www.nicovideo.jp/mylist/34674111 YouTube:https://www.youtube.com/channel/UCWC15PBQ6npHfJhu_Y62aIw

 

▼ボカロのキャラクターを使っているだけで音楽のジャンルは問わないじゃないですか。そこで不意に面白いものに出会えることがあるので。

seeeeecun(以下、s):友人との対談企画。なんやかんや放置しすぎて1年ぶりなんですが第2回です。

はるまきごはん(以下、は):え、大丈夫?今日も司会してくれるの?

s:大丈夫大丈夫。ネットミュージック界のタ〇リと名高いので…。今回は「はるまきごはんと自分が推してるネットアーティストを呼んで喋りまくる」という形式のやつです。今日は根掘り葉掘り色々と聞いていきたいと思います。よろしくお願いします。

メレル(以下、メ):よろしくお願いします~。

絶海(以下、絶):よろしくお願いします!

s:前回はるまきごはんと二人で喋った時に、読者の方々から「作曲するに至った経緯とか知れて面白い!」みたいなお声をいただいたんですよ。今回は自分たちよりも若い世代のお二人をせっかくお呼びしたので、これから新しく作曲を始めたいな~って方々の参考になればと思い、色々と聞いていきたいと思います。

は:あ~なるほどね。

s:まず、お二人とも曲を作り始めたのってどれくらいからですか?

絶:僕は2013年の半ばあたりからですかね。もう6年くらい経つんですけど、その頃高校三年生とかで。僕が曲を作り始めたのは、ボカロが好きだったからっていうのもあるんですけど。それ以上に高校三年の受験勉強が嫌すぎて、現実逃避で始めました(笑)

s:わかる。受験はつらい。

絶:その時持てる私財の全てをはたいて機材を買って、安いノートPCだったんですけど最低限のソフトを揃えて、とりあえず作るか~ってなりました。ギターとか楽器類とかは全く弾けなかったけど、DAWでMIDIを打ち込めば曲が作れるってわかって。楽器とか弾けなくてもいいという手軽さもあったので、それからずっと楽器なしで曲を作ってますね。

s:録音環境が整っていないと生演奏の曲って作るの難しいですしね。

絶:元々電子音が好きだったのもあり、その趣味嗜好にも合っていたので丁度良かったです。

は:なんでボカロ楽曲を作ろうと思ったんですか?楽曲だったら生の人間のボーカル楽曲とか色々ある中で。

絶:僕はボカロが元々好きで、2010年あたりからずっと聴いていて。そうやって育った世代だったからボカロ楽曲を作りたくなったんです。

s:なんかはるまきごはんと経緯が似てるね。

は:近い!年齢も近いですもんね。超会議でお会いした時そんな話をした気がする。

絶:そうでしたね!

は:メレルさんはどんな経緯からボカロを始めたんですか?

メ:僕は元々ギターをやってて、自分がギターにのめり込んだ時期とボカロが盛り上がっていた時期がちょうど重なってたので、聴いていた音楽の1ジャンルとしてボカロがあったんです。ただ、並行してバンドサウンドの楽曲も好きだったし歌うのも好きだったので、自分はそっち寄りの人間なんだろうなとどっかで思いながら。でもボカロも聴くという生活でした。

s:なるほど。

メ:一番最初に曲を作るって決めたのも、明確に覚えていないくらい漠然と「作りたいな~」みたいなことを思いながらギターを弾いてましたね。多分高校生くらいの時に弾き語りとかで誰にも聴かせないような曲を作ってたのが一番最初の原体験だったと思います。DTMで音源を作り始めたのが、2014年の暮れにニコニコ動画に自分の歌をオリジナルで投稿した時だったと思います。

は:じゃあボカロを始める前は自分の歌が最初だったんですね。歌めちゃくちゃ良いですもんね。最初にメレルさんの歌を聴いた時、バンド界隈の人なのかな?って思った記憶があります。

メ:実は違うんですよね(笑)一回バンドをやろうと思ってスタジオに入ったんですけど、あんまり居心地が良くなくて。楽曲を作ろうという気にもなれず、そこで吹っ切れて自分ひとりで音源を作っちゃおうってなりました。

s:ボカロ以外だと皆さんは何を聴くんですか?

絶:ボカロ以外はあんまり聴かなくて、強いて挙げるならアニソンとか有名どころのJPOPとかですね…。ずっとボカロを聴いていたので、それまで温めていた自分の中のボーカロイドを表現したいな、という思いをこめた作品も最近は作ってます。

s:誰かに楽曲を提供するとか、自分で歌うとかっていうのに興味あったりしますか?

絶:うーんあんまり興味なくて、僕は人間が歌う曲を作るのが苦手なんですよね。ずっとボカロばっかり聴いていたので、作る曲が全部ボカロを前提としたものになってしまう身体になりました(笑)

s:絶海さんはメレルさんと真逆ですね~。

絶:そうですよね!真逆でもこうして同じようにボカロ曲を投稿して同じ舞台に立てるというのが、なんか不思議な気がします。

は:そういう意味でボカロは懐広いですよね。

メ:そこがボカロ音楽の面白いところではありますよね。

s:ちなみにメレルさんはどんな音楽を?

メ:元々は分かりやすいギターロックを聴くのが好きだったんですけど。今は…なんだろ、ギターがメインというより、ちょっとアコースティックものだったりシティポップ寄りなものだったりの方が日常の中で聴くことは多いです。「バンドじゃないんだな自分は」って吹っ切れた時に、「あ、バンドサウンドのものだけじゃなくていいんだ」っていう気がしたというか。そこからなんでも聴けるようになったので、あんまり「これ聴いてます」みたいなのが言えなくて。そういう意味だと、ボカロが面白いなと思うところは、ボカロのキャラクターを使っているだけで音楽のジャンルは問わないじゃないですか。そこで不意に面白いものに出会えることがあるので。

は:ボカロ楽曲の中では、音楽ジャンルの壁はないですもんね~。

 

▼自分の夢に一歩近づけた楽曲だった

s:色んな経緯があってここまで活動されてきたお二人ですが、今まで投稿してきた楽曲の中で一番思い入れがある曲ってなんですか?記事を見ている人にオススメしたい曲とか。

絶:僕だったら「マインドイブ」が聴いてもらいやすいんじゃないかなと。

▼【初音ミク】マインドイブ【オリジナル】

は:あの曲ホントに好き。

s:わかる。

絶:あの曲は僕に色んな経験をさせてくれた作品で、こうしてお三方と話せる場ができたのもそうだし、マジカルミライの会場のBGMとして使っていただけたり。自分の夢に一歩近づけた楽曲だったんですよね。だからものすごく思い入れがあります。曲調的にも、自分の曲の中では聴きやすい方かなと思いますし。

s:メレルさんはどうですか?

メ:うーん…。色々考えたんですけど、一番聴かれたという意味で「宵闇幻燈」かなと思います。

▼メレル「宵闇幻燈」feat. 初音ミク / merel [Yoiyamigentou] ft. Hatsune Miku

絶:あ~!

メ:僕は動画でたくさん絵を描くパターンもあれば一枚絵だけのパターンもあるんですけど、宵闇幻燈は歌詞にストーリー的なものがしっかりあったので、逆にストーリーにはめ切った動画にはしたくないって思って。「一枚絵の中にキャラクターを描いてしまうとわかりやすくなりすぎるのが嫌だな、でもキャラクターがいない動画って受け入れられるのかな」みたいなことをすごく考えながら葛藤していたんです。それで思い切って背景だけ1枚バンと描いて出したら結果的に一番聴かれたんです。

は:サムネイルですごく目を惹かれるものがありましたよね!サムネって一般的に「顔のアップが良い」っていう意見もあるけど、そうじゃないサムネも良いな~ってこの動画を観て思いました。メレルさんはイラストも描かれますもんね。

メ:そうですね、僕はイラストの方が先でしたね。

は:あ、そこは自分と一緒だ。

メ:イラストは幼稚園からやってましたね。幼稚園の時にもらったサインペンとスケッチブックに延々と絵を描いていた記憶があります。

は:じゃあ一時期はイラストレーターになりたいって思っていた時もあったんですか?

メ:イラストレーターはあんまり思わなかったんですけど、小学校を出るくらいの時からギターを始めてしまったので、将来のことを考える頃には気持ちが音楽に向いてました。

は:めちゃくちゃ早いですね(笑)

s:いやホントにイラスト描ける人うらやましいなー。

は:seeeeecunも描けるじゃん。

s:メルティランドナイトメアのMVに登場するメルティちゃんを、はるまきごはんのコラボカフェで落書きするくらいですね。

▼メルティランドナイトメア / はるまきごはん feat.初音ミク - Melty Land Nightmare

は:そのイラスト今自分の家にあるよ。

s:俺の落書きの部分だけ燃やして。

 

▼音楽を作っているだけで許される存在になりたい

s:今後の活動ってどんな方向性でいくんですか?特にメレルさんはボカロだけじゃなくて自分で歌ったりもするじゃないですか。自分もボカロだけじゃなくて自分で歌う活動も始めたので、気になっていて。

メ:そういえば「ケモサビ」とても良かったです。

▼seeeeecun - ケモサビ (Official Music Video)

s:ううう…。ありがとうございます…。自分も新しい道を進むことにしたので、お二人も実際に今後どうしていきたいのか、みたいなのを聞きたいです。

メ:絶海さんお先に話されますか?

s:じゃあ…絶海さんから!

絶:僕は普通に就職してますし、音楽一本でやっていきたいというのはないんですけど、音楽は絶対に作り続けるんだろうなと思います。やめる時期があっても、その間も曲を作っているだろうなと思いますし。なんというか…音楽に憑りつかれている感じがあります。

s:お、カッコイイ。

絶:というよりも、ボカロに憑りつかれている感じです(笑)でもやりたくない!って思うことがあるのも正直あるので、ずっと音楽一本でやっていくことは自分には向いていないのかな、とも思います。そこが悩みどころでもあるんですけど、これからどうなるかわからないですし、もしかしたらそのうちボカロが好きすぎて毎日作る、みたいになるかもしれないし。そうなったら音楽一本で食べていきますね。

s:やっぱりボカロ一本で、他のアーティストに曲を提供する、みたいなのも考えていないんですね。

絶:全く考えてないですね(笑)

は:お~~~まさにボカロPだ。

s:今日このお二方にお話聞いてよかったです、対照的な二人なので。

は:うん、面白いね。

s:メレルさんはどうですか?

メ:僕は音楽で生きていきたいですね。そこも対照的で面白いなと思いながら聞いてました。最近人生の有限性みたいなのをひしひしと感じていて、その中で「嫌だな」と思う時間ってあまり居心地のいいものではないなあって思ったり。作品だったら意味として形になって残るので、やっぱりモノを残していくのが自分にとってすごく重要だし、逆に自分にはそれしかないなあって最近すごく思っていて。だったら作品を作りながら食べていける方が、ヘルシーなのかなっていう。

は:いいですよね、作る時間に集中できますし。

メ:そうなんですよね。いわゆる「音楽を作って億万長者になりたい」というニュアンスよりも「音楽を作っているだけで許される存在になりたい」というか。今後の活動方針という意味では、別に楽しければなんでもいいかなというスタンスで。ボカロも歌も映像も、結局楽しいからやっている部分があるので。それと同時に、他の人と一緒に何かを作るのも憧れているんですよね。seeeeecunさんうらやましいというか、すごく相性の良いパートナーと巡り合えていて。

s:みつきさなぎは半端ないですよね。

は:本当に二人は運命的な出会いだなって思った!さなぎもseeeeecunと組んで名が知られるようになって、seeeeecunもさなぎと組んでから色々とやれることが増えたよね。

s:メレルさんは動画も作って音楽も作ってますけど、音楽だけに尖っていくのも考えてますか?

メ:あまり早いペースで曲を作れるタイプではないので、どうしても時間がかかって音楽をコンスタントに出せないんですよね。悩んでる時間も嫌なので、結局動画も自分でやってしまうというのを毎回繰り返していて。すごく相性が良くて双方リスペクトし合える人がいたら、是非一緒にやってみたいって気持ちが強くあります。でも出会えるかどうか分からなくて…。

s:一緒にやっているって意味では、絶海さんも水無月さんとタッグを組んでやってますよね。

絶:そうですね~。2013年の9月に初投稿した「エチレニズム」から最新曲に至るまで、1曲を除いて全部水無月さんに作っていただいていて。その人のおかげで自分がボカロPになったと言っても過言ではないくらいの恩人なんですよね。やっぱりボカロ曲を投稿するってなったら動くMVってすごく憧れで、でもエンコードとか色々なことをしないといけないから、色んな人の力を借りないといけないのかなって。そんな中、僕がpiaproに曲をあげて「この曲にMVを付けてくれる方!」って募集したんです。それでお声掛けしてくれたのが水無月さんなんです。

s:え~~~~~~そうなんですか!

絶:だからpiaproに音源をあげていなかったらその出会いもなかったわけですけど。一回色んな人に自分の曲を聴いてもらって、楽曲が先で動画が後、みたいなのを最初にできたのが自分の中で大きかったですね。

は:水無月さん本当に素晴らしい動画を作りますよね。

絶:毎回あがってくる動画に修正点とか本当になくて。

メ:いいですね…。

s:今メレルさんの「いいですね…」が、めちゃくちゃ心こもってましたね(笑)

メ:切実でしたね…(笑)でも本当に憧れますね。モノを作るペースが上がるのもそうですけど、信頼できる人がいるというのは、モノを作る上ですごく健康的だなと思います。全部ひとりでやっちゃうと、投稿するまで自分しか触れないことになってしまうので、動画があがる瞬間の怖さがありますね。

は:確かに。でも自分はそっちの方が好きだな。動画があがるまではみんなに秘密にしておきたいというか。

s:みんな色んな創作スタイルがあるね。

 

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