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【対談】はるまきごはんの創作の原点と影響を受けた音楽【後編】


クリエイターの友人をお呼びして対談する企画第1弾の後編。

■【対談】はるまきごはんの創作の原点と影響を受けた音楽【前編】

前回から引き続き、ゲストにはるまきごはんをお呼びして、今後の創作活動の展望などを赤裸々に語っていただきました。

 

ゲスト:はるまきごはん(@harumaki_gohan)

音楽 絵 映像 などやってます。がんばります

司会:しーくん(@seeeeecun)

曲を作るサラリーマン

 

▽”はるまきごはん”という監督、全部自分でやりたい

しーくん(以下、し):音楽もイラストも動画もボカロP一人で作るっていう流れが、はるまきごはん殿堂入り以降に更に増えだした気がするんだよね。

はるまきごはん(以下、は):そうなのかなあ。それは自分が当事者だからあんまり自覚はないんだけど・・・。

し:そんなものなのかな。でもわりかし周りに「一人でやってすごいね」って言われるでしょ?

は:それは本当に有難いことによく言ってもらえるかも!

し:今後はどのスキルに寄せていきたい!とかじゃなくて、やっぱり全部伸ばしたい感じ?

は:うーん、モノづくりする時には各作業を分担してやるより、ひとつの動画作品として全体の雰囲気をイメージして作りたいってのはあるかな~。

し:そかそか、じゃあ制作の時は動画と一緒に音楽も一緒にイメージしているんだね。

は:そうそう。本来制作には監督のような存在がいて、作りたい作品を実現するために各プロフェッショナルを集めるってパターンだと思うのだけど。”はるまきごはん”という監督は全部自分でやりたくなるというか・・・。イラストと動画は別々の作品として公開されるわけじゃなくて、一緒の作品だから、自分で出来るなら分担する必要もないのかな、と。だから「どっちかに寄せる」っていうのはないかも!

し:今って楽曲のPVとして動画を作ってるけど、今度は物語メインのアニメを作って発表する、ってことに興味あったりするの?

は:結構それって最終的な目標だったりするんだよね!全部整ったらやりたいなって思ってる。いままでのPVたちも音楽と同じくらい映像も見てほしいな~ってところはある!今から10年くらいかければ12話分のアニメーションを作れるとは思うんだけど、さすがに今から10年それ以外なにもしないわけにはいかないから、それを現実的な時間で作れるようになったらやりたいなと!

し:そこが一つのはるまきごはんの完成形として目指していくところなんだね。

は:アニメ好きだしね!好きなものを全部作ろうとするとそうなるかな~。

し:そもそも、はるまきごはんのPVが短編アニメーションだしな。

は:そう!だから脚本があって、声がついて、ってもっと面白くなれる気がする。だから普段作ってるものも広い目で見ればアニメの端くれかもしれない。

し:それで言うとさ、ポーター・ロビンソンの「Shelter」のPVとか、一つの理想だよねえ。

■Porter Robinson & Madeon - Shelter (Official Video) (Short Film with A-1 Pictures & Crunchyroll)(YouTube)​

は:あのPV本当に良いよね!でもさすがに個人でやれるレベルは超えてるけど(笑)

し:まあね(笑)ポーター・ロビンソンが全部ストーリーを考えているかは分からないけど、楽曲があって物語があってって、我々が目指していきたい一つの完成形って感じだよね。

は:うーんでも他の人の作品を目指す必要はないのかな、と思ったりもする!「目指す」と自分の作品にならないんじゃないかな、みたいな・・・。自分が表現したいイメージを、一番刺さる形で作品にしたいな~っていうのはずっと思ってる。何かの作品を目指しながら作ると、100%完璧に全力を出し切れた時も、出来上がるのは模倣品でしかなくなっちゃうような・・・。でも参考にしたり影響を受けたり、世の中のオリジナル作品は全部既存のものの組み合わせって言う考え方もできるし、難しいね!今は例えるなら、コピーバンドよりもオリジナルバンドをやりたいって気持ちに近いかも。どっちも楽しいけど!

 

▽皆もよく見たら2つどころかいっぱい出来ることがある

し:最近イラスト制作だけの依頼も増えてきてる印象あるね。

は:多い!でもそれも書き下ろし曲のアートワークだったりするんだけどね(笑)イラストだけっていうのも増えてきてて、例えば2017年冬コミで頒布された「モノカラーガールスーパーノヴァ」ってコンピのジャケットとかはイラストだけだった!

■モノカラーガールスーパーノヴァ〈単色背景+少女コンピ〉XFD(YouTube)

し:なんかそれを傍から見て、「新しいはるまきごはんのスタイルが確立されてきてるなー」って印象だった。

は:自分の出来ることで協力できて、面白そうな企画はやっぱり携わりたい!でもさ、はるまきごはんが楽曲と映像もやるから「2つ出来る」みたいな印象を持たれるけど、それはたまたま曲を書いて絵が描けただけだと思う。例えば、「事務作業がめっちゃ早くて、音楽が作れて、スポーツが得意」な人とか「英語が喋れて、音楽が作れて、料理がうまい」人とかなんて、3つやってるし。それが作品に現れるか現れないかってだけだと思うな~。

し:確かにオリジナル楽曲を動画で投稿するって活動してたら、曲も動画も作れるってのは目立つからそう思われるよね。でも意外とみんなそれぞれ得意分野が作曲以外にもあるっていう。

は:そうそう!スポーツが出来る人もいれば、学校でテストの得点が良い人もいて、会社で評価されている人もいて、「身体が柔らかい」とかもその一つだと思う!だから自分が多才だとはあんまり思えないし、むしろ、出来ないことの方が多い・・・身体は、意味わからないほど硬い。

し:同じベクトルで得意分野が2つあったからそう見えるっていう感じなのかな。でも依頼者側からすると、イラストと動画どちらも出来る人に頼みたいってのはあるかもね。時間もかかるだろうし、イラストと動画の雰囲気を合わせたいだろうし。はるまきごはんは自分で全部作ってるから、他の人に頼んだ時に自分の意図した世界観とずれるんじゃないか、って悩みとか不安とかはなさそうだよね。

は:悩みたくなくて一人でやってるって節もあるかも!

し:そうだよね。他の人に頼むってこともほとんどないんでしょ?

は:今回のアルバム(「SLEEP SHEEP SUNROOM」:2017年)で初めて依頼したんだよね~。

■SLEEP SHEEP SUNROOM / Trailer 【はるまきごはんアコースティックミニアルバム】(YouTube)

し:そういえばそうか!なんで今回初めて依頼するってことをしたの?

は:共作してみたらどうなるかを見てみたかったっていうのはあるかな!月並みだけど絶対自分だけではこの作品は出来上がらなかったなって思うな~。「アコースティック」と「眠れる」ってテーマだったんだけど、はるまきごはんの中にある「眠れる」に関する引き出しを出し切って8曲揃えても、はるまきごはんと違う眠り方をする人は眠れなくない?みたいな・・・。それなら色んな人の「眠れる」っていう感覚を取り入れたかった!ミニアルバムだからこそ出来たことだったかなあと思ってる。

し:はるまきごはんの作品に他の人が携わるのって、歌い手さんへの書き下ろしとかのイメージくらいしかなかったからすごい新鮮な気持ちで聴いてた。ピアノとか自分で弾けなくても、自分で果敢にチャレンジして弾けるようになるタイプではあるじゃないですか。

は:ピアノも一応自分で弾けるんだけど、今回は弾かなかった!今回ピアノアレンジしてくれたちおさん(@chio723)は昔からはるまきごはん曲のピアノアレンジをしてくれてたのもあって依頼したの。根本的には、自分で出来ないことは自分で出来るようになりたいってタイプだけど、ドリームレス・ドリームスは1回自分でピアノアレンジしたことがあって、それが完成品として1つあったから、それじゃないピアノアレンジを聴いてみたかったんだよね。

■ドリームレス・ドリームス(アコースティックアレンジ) / はるまきごはん feat.初音ミク(YouTube)

 

▽2018年のはるまきごはん

し:2018年のはるまきごはんはどうする?

は:あんまり新年とかに縛られるタイプではないかも!(笑)

し:対談のテーマを決める時、「創作の原点」と「2018年のはるまきごはん」のどちらが良い?って聞いたじゃん?絶対前者を選ぶと思ってた(笑)

は:でもこの先はライブをもっとしていきたいなって思う。雪ミク(snowmiku.com)には出演するし、今後もたくさんしていきたいな!

し:雪ミク出るって聞いた時「ついにはるまきごはんもここまで…」となった。

は:公式系のイベントはすごい嬉しいよね。今まで見る側だったのが出る側になるわけだから。

し:雪ミクって開催地は札幌だし、はるまきごはんの地元でもあるから、その感慨深さもあるよね。ライブははるまきごはんが自分で歌うわけだけど、ミクに歌ってもらうって選択肢もある中で、なんで自分で歌おうと思ったの?セルフカバーを始めたのも含めて、なんだけど。

は:はるまきごはんはずっと同人の音楽が好きで、たとえば東方アレンジとかボカロとか。ある意味バンプとかラッドとか邦楽を聴くのとは違う楽しみ方で聴いてたんだよね。自分が同人を好きな理由の一つが「自由にのびのびとやっている感じが楽しそう」だったから、同人アーティストが「やりたい!」って思ったことを応援したかったんだよね。だから出さない方がいいかなあとかはもうあんまり考えないし、最近セルフカバーを投稿してるのも、やりたいことを全部やってるだけみたいな感じかな~。

■ドリームレス・ドリームス / はるまきごはん【セルフカバー - Self Cover】(YouTube)

し:なるほど・・・。

は:もし「はるまきごはんはボカロPとしてやっていくから自分の声は出さないようにしよう・・・」ってなった時、自分がもし聴く側だったら「え~歌ってよ~」ってなると思う・・・。だから自分がやりたいことをやるようにしてる!ボカロで作ることも自分で歌うことも、そこまでふたつに大きな壁があるとは思わないから、自分の中の感覚では「アレンジ版を出した」っていうのに近いかも。

し:ボカロPで歌う人あるあるだと思うんだけど、自分の調声したボカロってほとんど自分の歌みたいなところあるよね。初めてはるまきくんの歌聴いた時に「あれ?これ、はるまきくんのミクの調声まんまじゃね?」って思ったんだよね(笑)最近歌うPさんが増えてきたからこそ、また新しいボカロ音楽の楽しみ方として現れてきたなって思った。

は:そういうところも聴く側は楽しいポイントの一つだよね!

し:最後に、この記事見ている皆さんにメッセージをどうぞ。

は:睡眠はしっかりとってください。

し:え、そこ?(笑)

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